2022年度宮城県公立高校入試講評(3月4日)
2022年度 国語 講評
大問の構成は昨年度までの入試とほぼ同様の形式でしたが、古文が出題されず、漢文の出題があった点が目新しい特徴であり、また作文の条件設定がかなり難しかった点が今年度の特徴ではないでしょうか。
大問1は昨年同様漢字の出題と、数人の対話文を読ませて、適切な表現を書かせたり、対話の発言の意図を問うたりする問題が出題されました。問4(5)の記述問題は難しくありませんが、意外に取りこぼしている生徒が多いと思われます。
大問2(小説文)ですが、まず心情を問う選択問題は難しくありませんでした。記述問題は2題あり、15字と55字の問題でした。15字の設問は解答の根拠が傍線部のすぐそばにあり難しくありません。一方で55字の設問は解答の根拠は探しやすいですが、比喩的な表現を適切な表現に改めたり、解答の表現をまとめたりすることが難しかったと思います。上上位校ではこの55字の記述問題が勝負だったと思います。
大問3(説明文)ですが、全体として昨年よりも易化したと思われます。選択問題は昨年同様のレベルでしたが、記述問題が例年よりも易しかったです。仙台圏の上位校はこの記述問題をいかに落とさずに点数を取れたかが合否を分けると思われます。
大問4は漢文が出題されました。この数年、基本的に古文からの出題が続いていました。漢文の対策をおろそかにしていた受験生はやや戸惑ったかもしれませんが、書き下し文に丁寧な訳がついており、それをヒントに読めば、例年の古文よりもかなり読みやすかったのではないでしょうか。
大問5は作文でした。3つの中から選択した指示語が、俳句にどのような影響(情景・心情)を与えるかを考慮に入れながら作文を書く必要があった点が難しかったのではないでしょうか。この設問の条件(意図)をどれだけの受験生が的確に読み取り、作文に反映できているかはかなり疑問です。ここ数年で一番難しかった作文の問題だと思われます。
全体として、作文の採点基準によりますが、国語の平均点は昨年並みと思われます。上位校の受験生は記述問題で部分点を稼ぎながら、作文でいかに得点できたかが合否を分けたと思われます。
2022年度 数学 講評
第一問・・・やや易化しました。どの問題も志望校に関係なく満点を取りたいです。8の角度計算問題は角A、B、Cの和が角Dになることを知っていれば瞬殺できます。そうでなくても補助線等を引けば求められるはずですので、多少時間を使ってでも確実に取りたい問題です。ぱっと見で90度より大きいことは必ず意識しておきましょう。
第二問・・・例年通りの小問4つ構成でした。1と4は解答必須です。4については資料二つの母数が異なるので、それだけ注意して落ち着いて考えましょう。2の相似な立体の体積比はここ数年出題されていない問題です。難易度は教科書程度ですが、過去問に頼らず基礎をおさえていたかどうかで差がついたと思います。3の連立方程式は、x、yの解がそのまま解答にはならないため、何を答えるべきかをよく読まないといけません。難易度は例年通りかやや易化です。進学校に進む方は満点を取っておきたいです。
第三問・・・確率と一次関数の二部構成でした。確率はルールを勘違いしない限りは解けてほしい問題です。一次関数も例年と比べると大幅に易化しました。力を入れて対策してきた方には少し物足りなかったのではないでしょうか。ただ、一次関数を解くうえで大事な要素が詰め込まれていますので、現中2のみなさんはこのレベルを難なく取れるよう復習しておきましょう。(条件からグラフを書く、グラフから式を求める、2直線の交点の求め方などです。)
第四問・・・2020年度に近い、三角形の相似と円を利用した問題でした。1は三平方の定理を間違えずに使ってください。2の証明は記述が少し難しかったかもしれません。三段論法(A=C、B=CのときA=B)を利用して丁寧に書かないと減点対象になってしまうと思います。3は底辺の比と面積の比が等しくなることを利用して求めます。どれだけ類似問題を演習してきたかで差がつく問題だと思います。4の線分比は、1、2、3の解答をフルに活用する問題でした。相似な三角形を根気よく見つけられるかが勝利の鍵になります。おそらくいろいろな解き方が考えられますが、補助線を一切引くことなく解けます。
数学総評・・・最終問題が難しいのは例年通りですが、全体的にはやや易化しました。平均点もおそらく50点台になるのではないでしょうか。受験特有の時短テクニックを活用するよりは、教科書の内容を十分に理解できる力が必要です。これから受験を控えている学年の方は、①一次関数の基本的解法、②方程式の立式、③図形の基本的性質を特に意識して勉強してほしいです。
2022年度 英語 講評
第一問
問題1のリスニングは4択のうち絵から1つ答えを消去でき、また絵の随所にヒントがあるため答えを出すのは容易です。問題2~3の会話文型の出題からが点数が分かれると思います。登場人物が2人いて、会話が交互にされる出題なので、あらかじめア~エの選択肢に目を通しておくことが高得点のカギとなります。また問題4は英作文の対策をしなければ太刀打ちできないため、偏差値50以下の高校を目指す場合は必ずしも当てに行く必要はありません。しかし第五問の英作文の対策ができていれば十分得点できる内容です。石巻圏ならば好文館高校以上の偏差値の高校を受験する方は備えていて欲しい問題です。
第二問
比較的易しい単語、並びかえ問題、熟語で構成されていました。ただし、lateが補語であることが分からない人は第二問の1(1)で出鼻をくじかれたのではないでしょうか。ここは落としても他は得点したいところです。またwashは過去分詞washedとなるのを見落とした人もいるのではないしょうか。関係詞や間接疑問文のような中3で習う文法よりも1年生や2年生で習う文法を習得しているかを出題者は確認したいのではないかと思います。
第三問
比較的短めのスピーチ文を読んで解答する問題で、やはり時系列問題が今年も出ました。
1の設問は下線部の理由を探すものです。理由は前後、同段落中にあるのを見抜くのは当たり前、今回は実質too~to…構文の理解を問わせる設問です。2の設問は主語のMr.Saitoが男性で本文該当箇所ではHeと書いている可能性を頭に入れつつ、直接話法の“I”が誰なのか分かる必要があります。ただし設問にwant+人+ to動詞の原形があり、答えを引っ張ってくる英文もwant+人+ to動詞の原形が入っているのはすぐに見つかられるので、主語や時制を意識して勉強していない人でも部分点は狙えます。もちろんしっかり主語や時制を捉えている人にとっては易しい問題です。設問3はbutと前述の名詞が分かればすぐに解答できるものです。4の設問は時系列のさばき方を知っていると楽ですが、そうでないと難しい問題です。キーとなる単語の位置をマークし、俯瞰して読む訓練をした人や英語が得意な人は得点できますが、そうでない人はあてずっぽうに解いているのではないでしょうか。しっかり対策すれば取れるので、キーとなる単語の位置をマークし俯瞰して読む訓練をしっかりしましょう。5の設問は難しそうに見えるけれど、所詮は英語4語という指定がついた抜き出し問題です。この文章が過去形で書かれていることや、設問内のfindから、foundを文章中に見つけることはできると思うので、その隣に書いてある4語を写せば正解でした。
2022年度 理科 講評
全体として平年通りですが、中には多少考えさせる問題がありました。ただし、基本的な問題がほとんどですので、平均点はほとんど変わらないと思います。
大問1には、大学入学共通テストを意識したような会話形式の問題がありましたが、図さえ確認すれば解答できるものでした。例年通りの基本問題ばかりなので、確実に点数をとっておきたい設問です。
大問2は植物・試験薬に関する設問でした。5の問題は対照実験の条件を自分で決めることができるかがポイントですが、問題文をしっかりと読めば解答できるものでした。それ以外はよく見る実験の問題で、基本的な内容です。
大問3は天体に関する設問でした。3の問題では計算結果が小数になりますが、選択肢に紛らわしいものはないため、比較的選びやすいかと思います。4の(2)は地軸の傾きが変わったときの太陽の通り道を考える問題でしたが、しっかり理解できていないと間違えやすいと思います。
大問4は力学に関する設問でした。条件を丁寧に読み解けば難しくはない問題がほとんどですが、5の問題がやや難しいです。おもりを増やすごとにそれぞれいくら伸びるか計算し、地道に足していけば答えが出ますが、まじめに式を作ろうとして手が止まった生徒が多いと思われます。
大問5は化学に関する設問でした。5の問題は、条件や表をよく見ればほぼ計算がいらない問題です。上位校を目指す生徒には完答してほしい設問でした。
2022年度 社会 講評
問題構成が例年と変わり、公民が第一問、日本地理が第二問、世界地理が第五問となっていますが、問題内容、難易度ともに例年並みであるといえそうです。選択問題や資料の読み取り問題に難問はなく、例年通り基本に忠実に知識を積み上げていけばきちんと点数を取れる形になっています。ただしその中で、「人間の安全保障」という中3公民の教科書の最終ページに記載された内容が問題になっており、広く全体を学習する姿勢が問われたともいえるでしょう。
記述問題も例年通り複数の資料をまとめる形式ですが、どの程度書けていれば得点になるかは各高校により採点基準が大きく異なることでしょう。合計25点を占める記述問題が例年並みに分量の多いことから、上位校の受験生は安易な自己採点はしないよう注意してください。資料からわかることを不足なく書ききるためには高い国語力も必要とされますので、来年度の上位校志望者は一度早めに過去問に触れてみることをおすすめします。地理、歴史の記述問題は現時点の中2生でも知識的には十分に解くことができる反面、読解力がなければ何を問われているかを理解することも難しいものになっています。

